会社法の基礎の基礎

法人格をもつ会社は、生きている人同様、権利を有し、義務を負うことができるのです。

利益供与の禁止

利益供与の禁止

利益供与の禁止

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会社が、株主総会での発言権をバックに会社にたかる総会屋と癒着することは好ましいことではありません。

そこで、会社が株主の権利の行使に関して利益を供与することは禁止されています。

会社が特定の株主に対して、無償で財産上の利益を供与した場合は、株主の権利の行使に関して利益供与したものと推定されます。

有償であったとしても、また、受けた利益が供与した利益に比べて著しく少なかったとしても、同様に利益供与と推定されます。

会社が違法な利益供与を行うと、利益供与を受けた者は、会社またはその子会社にそれを返還しなくてはなりません。

しかし、現実には返還を期待できない場合もあり、利益を供与した役員等が会社への賠償責任を負うべきことになります。

会社に対する賠償責任は、株主代表訴訟の対象にもなります。

自ら利益供与をした取締役は、無過失責任を負いますが、その他の役員も自らの無過失を立証できないと連帯責任を負わされることになります。

利益供与は民事責任だけでなく、刑事責任も生じさせます。

利益供与の罪は、昭和56年の法改正で、総会屋を排除することを目的として導入されました。

そして、その後何度かの摘発や法改正等で取り締まりも強化されてきました。

これらの刑罰が禁錮ではなく懲役であることは、破廉恥罪として理解されていることを示しています。

日本の企業で幅広くコンプライアンス経営の必要性が叫ばれるようになったのも、主要企業による利益供与事件がきっかけでした。

利益供与事件で「企業のため」という弁解は通用しません。

総会屋との癒着は、暴力団との癒着にもつながります。

会社は、情報誌の提供などを含む総会屋との一切の交際を断ち切らなくてはなりません。


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