会社法の基礎の基礎

法人格をもつ会社は、生きている人同様、権利を有し、義務を負うことができるのです。

忠実義務の範囲内で許容される会社の政治献金

忠実義務の範囲内で許容される会社の政治献金

忠実義務の範囲内で許容される会社の政治献金

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会社は定款に定められた目的の範囲内で、権利をもったり義務を負ったりすることができます。

しかし、目的の範囲内の行為とは定款に明示された事業目的に限定されるものではなく、その目的を遂行するため直接または間接に必要な行為ならば、すべて目的の範囲内にあると解されています。

そのため、会社が災害救援資金の寄付、地域社会への財産上の奉仕、各種福祉事業への資金面での協力などを行うことは、社会通念上、会社として当然のことです。

これらの行為が会社の権利能力の範囲内にあると解しても、株主等の利益を害する恐れはありません。

そこで、会社による政治資金の寄付も、会社の社会的役割を果たすため認められる限り会社の権利能力の範囲に属する行為だと考えらえています。

さらに、憲法の人権に関する条項は、性質上、可能な限り内国法人にも適用されるものと考えられています。

そこで、会社は公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由の一環として、政党に対する政治資金の寄付の自由を有します。

取締役は会社に対して忠実義務を負っています。

そこで、行き過ぎた政治献金は禁物です。

しかし、取締役の忠実義務は通常の委任関係に伴う民法上の善管注意義務よりも高度な義務ではないという最高裁の立場では、取締役が会社を代表して政治資金を寄付することは、会社の規模、経営実績その他社会的経済的地位、寄付の相手方など諸般の事情を考慮して、合理的な範囲内にある限り、取締役の忠実義務には違反しないと考えられています。


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