会社法の基礎の基礎

法人格をもつ会社は、生きている人同様、権利を有し、義務を負うことができるのです。

自己の株式を取得できる場合

自己の株式を取得できる場合

自己の株式を取得できる場合

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会社が、自らが発行した株式で他社が保有する「自己の株式」を取得したり、すでに自己で保有する「自己株式」を保有したりすることは、株主平等原則違反、株価操作・インサイダー取引の懸念、会社支配権の不当な維持に理由されるなどの懸念があることから規制されています。

しかし、欧米では基本的には自己株式の保有を認める国もあります。そこで、日本における自己株の取得・保有も徐々に規制緩和され、一定の手続規制と財源規制等の下に、自己の株式の取得・自己株式の保有が認められています。

会社法は、自己の株式を取得できる場合を、次のように定めています。

■自己株式を取得できる場合

株主との合意による取得の場合 (原則)自己株式取得のための株主総会決議があった場合(例外)取締役会の決議

①上場会社の特例

②会計監査人・監査役会設置会社で取締役の任期1年の会社の特例など

③子会社からの取得

それ以外で取得する場合 ①取得条項付株式で会社が自己の株式を取得するための所定の自由が生じた場合②譲渡制限株式に関して株主から会社へ自己の株式を売り渡す請求があった場合

③取得請求権付株式の取得の請求があった場合

④全部取得条項付種類株式の全部取得の決議があった場合

⑤相続その他の一般承継に対する株式の売渡しの請求をした場合

⑥単元未満株式の買取請求があった場合

⑦所在不明株主に関する株式の競売に関する事項を定めた場合

⑧1株に満たないいわゆる端株が生じた場合(端株制度は廃止されている)

⑨外国会社を含む他の会社の事業の全部を譲り受ける場合にその他の会社が有する自己の株式を取得する場合(事業の一部の譲り受けの場合は除く)

⑩合併後消滅する会社から自己の株式を承継する場合

⑪吸収分割をする会社から自己の株式を承継する場合

⑫その他会社法施行規制で定める場合

このうち、株主との合意によって自己の株式を取得する場合には、原則として株主総会による決議が必要です。

しかし、上場会社の場合や非公開会社でも監査役会または三委員会と会計監査人を設置する会社で取締役の任期が1年である場合等には、取締役会決議による取得が可能です。

また、親会社は取締役会の決議で、その子会社の有する自己の株式を買い受けることもできます。

ただし、子会社は原則として親会社の株式を取得することはできません。

これに対し、株主との合意によらない取得の場合は、株主総会の決議等なしに自己の株式の取得が認められ、それぞれの理由に基づく手続に従って、会社は自己の株式を取得することになります。

自社株取得には目的の制限がなく、取得財源も拡大され、数量規制が撤廃されています。

しかし、自己株式の取得価額の総額は、原則として分配化の額を超えることができません。

そして、事業年度末で資本の欠損が生じる可能性があれば、自社株式の買受けにも制約を受けます。

なお、自己株式は、原則として、配当請求権、残余財産分配請求権、合併等の場合の株式割当て等の自益権が認められません。


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